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新システム反対のアピール ここから

保育園を取巻く問題新システム反対のアピール

大学の研究者らによる、「新システム」に反対するアピール文を紹介します。

日本の保育・子育てをよくするためのアピール

子どもの権利を侵害する新システムに反対します

現在、政府が進めようとしている新たな保育制度案=「子ども・子育て新システム」
( 以下 新システム ) は、すべての子どもに切れ目のないサービスを保障する
としていますが、そこには2つの重大な問題があります。

1つは、それぞれの理念のもとで営々と実践を積み重ねてきた幼稚園や保育所を、
これまでの経緯や現場の状況をふまえた十分な論議もせずに一体化しようとしている
ことであり、もう1つは、児童福祉制度として機能してきた現行保育制度の解体です。

新システムでは、実際には子どもが必要な保育を受けられなくなる恐れがあるだけでなく、
待機児童の解消にもつながりません。

その改革の内容が、国民や保育関係者に十分知らされず、財源保障の確約もないまま、
2011年初頭の通常国会に関連法案が提出され強引に改悪が進められようとしています。

幼保一体化については、あまりに唐突な提起であり、
ここでは結論を急ぐべきではないとの指摘にとどめますが、
保育制度改革は、大いに問題があるといわざるをえません。

児童福祉法にもとづく現行保育制度には、子どもの最善の利益を守るために、
市町村の保育実施義務が明確に位置づけられています。

また、国が定めた最低基準により、全国どの地域においても保育の質が保障されています。

さらに、保育料も家計に応じた負担 ( 応能負担 ) になっているので、
所得の格差が、子どもたちの受ける保育の格差につながることはありません。

深刻化している待機児童問題も、現行制度のもとで公費を投入して保育所増設をはかれば、
質を維持しながらより確実に解消することができます。

新システムでは、第1に児童福祉法24条に基づく保育の実施義務がなくなり、
市町村は保育が必要であるかどうかを認定するだけになります。

市町村は保育所入所に責任をもたず、保護者は保育所を自力で探し、
直接契約をしなければなりません。

第2に国の定める最低基準がなくなり、保育の地域格差がいっそう広がるだけでなく、
子どもの命、安全が危険にさらされます。

さらに、規制緩和により子どもを儲けの対象にするような事業者の参入に
歯止めがかけられなくなります。

第3に保育料は保護者の所得にかかわらず
利用すればするほど負担が増える仕組み ( 応益負担 ) になります。

そのため、お金がなければ必要な保育が受けられなくなってしまいます。

第4に保護者の就労時間などを基準にした認定になるので、
保育所の利用時間がバラバラになり、集団での生活や遊びは困難になります。

第5に、このシステムでは保育所の経営が不安定になり、
保育者のパート・非正規化など労働条件の悪化も避けられません。

その結果、保育の質が低下し、子どもの健やかな育ちを保障することができなくなります。

このようなあまりにも拙速な議論で結論づけられた新システムは、
将来に禍根を残すものであり、絶対に認めることはできません。

子どもの幸せと育ちを守り、家庭の子育てを支えることは私たちみんなの願いであり、希望です。

子どもの貧困や子育て困難が広がっている状況をふまえれば、
新システムの導入ではなく国と自治体の責任を確保しながら、
保育所・幼稚園、学童保育、子育て支援の制度を拡充すべきです。

関連予算の抜本的な増額をはかり、
都市部での保育所増設による待機児童の解消、
過疎地での保育の場の確保をはじめとして、
すべての子どもに質の高い保育を保障していくことが必要です。

私たちは、政府が新システム案を撤回し、
国と自治体が責任を負う現行保育制度を拡充することを強く求めます。

そして、人生最初の数年間を豊かにすることが、社会を豊かにする
もっとも確かな道であることを、保育・子育てに関わる人々の実践・研究、運動をとおして、
ひろく社会に訴えていくことを呼びかけます。

2010年10月

新システムに反対し保育をよくする会 ( 略称 保育をよくする会 )

代表呼びかけ人

伊藤周平 ( 鹿児島大学 )、大宮勇雄 ( 福島大学 )、渡邉保博 ( 静岡大学 )、
村山祐一 ( 帝京大学 )、杉山<奥野>隆一 ( 鳥取大学 )

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