委託に関する経緯 ( 練馬の保育園の委託化の経緯について )
練馬区の保育園の民間委託化の流れを説明します。
光8保育園など3園の委託化
・2000年に入り、国の「構造改革」の流れが強まるもとで、
国は「三位一体改革」の名のもとに、公立保育園に対する予算がゼロ ( 2002年~ ) となる。
( 地方自治体の裁量で財政運営ができるという名目で、それまでの公立保育園向けの予算枠が無くなる )
・2004年 ( 平成14年 ) 1月11日付け「練馬区報」で練馬区の「新行革プラン」を公表。
区立施設や業務の委託化・民営化方針を打ち出す。 練馬区の民間委託化の土台となる。
・同年3月11日「練馬区報」で、委託化・民営化方針の策定を発表する。
・同年7月20日、練馬区議会・企画総務委員会が開催。
2年後の平成18年 ( 2006年 ) までに区立保育園3園を委託化し、
その後も随時委託化・民営化をすすめることが報告される。
・こうした事態のもと、区内にある保育団体、子育て関係の23団体 ( 父母連も含む ) が集まり、
「公的保育を守る練馬連絡会」が結成。
・同年8月1日付け「練馬区報」にて、児童館、学童クラブ、公民館、図書館など、
区内254の公的施設にうち、まず保育園を含む32施設を平成18年度までに
委託化・民営化する「区立施設委託化・民営化方針実施計画 ( 案 ) 」を公表、
「パブリックコメント」を募集することが発表される。
・8月16日、民間委託する保育園3園の名前が発表。
( 光が丘第8保育園、向山保育園、石神井町つつじ保育園 )
うち光が丘第8保育園については、平成17年4月、
向山保育園、石神井町つつじ保育園については平成18年4月に委託実施するというもの。
・同年8月21日、委託発表後の5日目に、光が丘第8保育園で説明会が開催。
・同年9月から10月にかけての、練馬区議会の第3回定例会で、
「区立施設委託化・民営化方針実施計画 ( 案 )」の「案」がとれ、
練馬区として「計画」が決定される。
・こうした「委託化」に対して、公的保育練馬連絡会が陳情署名活動にとりくみ、
20万余の署名を集める。
また練馬父母連は、児童青少年部長や保育課長と懇談会を開催。
親の立場から区に意見や要望を提出。
また、該当3園以外の園でも説明会の開催を求めるなど、
計画の見直しを求めて、さまざまな活動をくりひろげた。
第二次委託化民営化計画と16の保育園名の発表
[ 2007年 ( 平成17年 ) 8月 ]
練馬区が「第二次区立施設委託化・民営化実施計画 ( 素案 )」を公表。
平成22年度までに60の区立施設の委託化と2施設の民営化を行う計画を打ち出す。
8月14日 ~ 9月14日を「パブリックコメント」の意見募集期間とした。
[ 2007年6月18日 ]
練馬区議会・健康福祉委員会で、計画調整担当課長から
「平成28年までに、公立保育園をあと16園委託する」と発表。
当面、平成21年4月に、光が丘第4保育園、豊玉第2保育園を、
平成22年4月に北町保育園、高野台保育園を委託するとした。
区議会の報告にあわせて、全保育園の保護者向けに、委託計画についての文書が配付される。
[ 6月30日 と 7月1日 ]
区内4か所で、保育園の委託についての区主催の説明会が開催される。
今後16園の委託については、福祉事務所管内ごとに、
光が丘地区=8園、練馬地区=3園、石神井地区=4園、大泉地区=1園と説明。
[ 同年10月 ]
「第二次区立施設委託化・民営化実施計画」を区議会にかけ決定、公表。
[ 同年12月6日 ]
区議会・健康福祉委員会で、残り12園の園名が発表される。
平成23年度 = 東大泉第二、平和台
平成24年度 = 石神井町さくら、光が丘第六
平成25年度 = 貫井第二、光が丘第十
平成26年度 = 関町第二、春日町第三
平成27年度 = 上石神井第二、光が丘
平成28年度 = 桜台第二、早宮
全保育園の保護者に委託化の文書が配布される。
[ 同年12月15日 と 16日 ]
区内4会場で「委託化につての説明会」開催。
区は委託化の理由として、待機児童解消と財政難をあげ、
委託化の根拠に「新行革プラン」「第2次委託化・民営化計画」があることを強調。
(1) 延長保育の利用が見込まれること、(2) 通園の利便性(主要鉄道駅至近)、
(3) 定員規模、(4) 認証保育所等他の保育施設の周辺配置状況、
(5) 区立保育園の配置状況および地域バランスを「考慮」して16園を決めたと説明。
年度・地区別の委託対象保育園 (2007年12月の説明会で配付された資料より)
年度 | 練馬地区 | 石神井地区 | 大泉地区 | 光が丘地区 |
---|---|---|---|---|
21 | - | - | - | 光四 |
22 | 豊玉第二 | 高野台 | - | 北町 |
23 | - | - | 東大泉第二 | 平和台 |
24 | - | 石神井町さくら | - | 光六 |
25 | 貫井第二 | - | - | 光十 |
26 | - | 関町第二 | - | 春日町第三 |
27 | - | 上石神井第二 | - | 光が丘 |
28 | 桜台第二 | - | - | 早宮 |
既委託園 | 向山 | 石神井町つつじ | 東大泉第三 | 光八 |
委託園 | 4 / 11 園 | 5 / 16 園 | 2 / 7 園 | 9 / 26 園 |
※その後、平和台保育園は年度途中の6月から委託準備に、東大泉第二は1年遅れで委託準備となる。
第二次委託計画後と「子ども・子育て新システム」の発表
・その後、該当園での説明会の開催だけで、
広く区民や子育て世帯を対象とした説明会は開催していない。
・2007年12月段階で示した計画も、平和台保育園の委託事業者が委託決定後、
園長候補の交替等で、年度始めでなく年度途中の6月から委託準備に入るなど、
区の計画通りのスケジュールではすすんでいない。
・2010年6月。政府は、保育園を幼稚園と一体化する「こども園」構想をすすめる
「子ども・子育て新システム ( 案 )」を発表。
保育分野のいっそうの市場化が懸念されるもと、
保育制度を根底から変える制度づくりにむけて、検討がすすめられる。
・2011年4月、保育課・保育計画調整課名で、
「練馬区立保育園運営業務委託計画の推進についてのガイドライン」が発表。
同5月「区立保育園運営業務委託Q&A」が公表。( 練馬区のホームページで公表 )
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